「その鳥は、私の魂をじっと見透かしているようだった。」
2025年8月、私は息子を連れてアフリカ・ウガンダの「マバンバ湿地」に立っていました。
前日のケニアからのフライトは、Air Kenyaの3時間遅延という洗礼を受け、ホテルに転がり込んだのは深夜23時。翌朝は8時集合。睡眠不足で目をこする息子を横目に、「今日、野生のハシビロコウに会えなかったらどうしよう」という不安と、「ついにここまで来た」という高揚感が入り混じった、慌ただしい朝食を済ませて出発しました。
今回は、日本の動物園では決して味わえない、野生のハシビロコウが放つ圧倒的な眼光と、そこに至るまでの「旅のリアル」をお届けします。

1. 湿地を突き進む「手漕ぎボート」の静寂
空港近くのホテルから、港までは車で10分ほど、あっという間につきました。
ただ、マバンバ湿地への道のりは決して楽なものではありません。 まずはエンジン付きのボートに乗り込み、約30分かけて湿地の深部へと移動します。風を切って進む感覚に、少しずつ日常が遠ざかっていくのを感じます。
しかし、ここからが本番。ハシビロコウが潜む繊細な湿地帯を守るため、そして彼らを驚かせないために、小さな「手漕ぎボート」へと乗り換えるのです。
二人のガイドさんが人力で、生い茂る水草を力強くかき分けて進んでくれます。エンジン音が消え、聞こえるのは水をかく音と、鳥たちのさえずりだけ。静寂が辺りを支配します。



2. 突然の邂逅。開始5分で見えた「動かない影」
「野生に会える確率は100%ではない」と聞いていたので、念のため2日間のチャンスを作って予約していました。しかし、その瞬間はあまりにも唐突に訪れます。
ボートを漕ぎ出して、わずか5分。 ガイドが静かに指をさした先に、彼がいました。

「いた……!」
思わず声を殺しました。 そこにいたのは、上野や神戸で見慣れているはずの、でも決定的に「何か」が違うハシビロコウでした。
3. 動物園では見られない「野生の眼光」
一番の驚きは、その目つきです。 自由な環境にいるはずなのに、彼は驚くほど動きません。少し向きを変えては、またじーっと水面を凝視する。その繰り返し。

周りの水鳥が騒がしく動いても、彼は一切動じない。 あの巨大な足があるからこそ、不安定な水草の上でも「王様」のように堂々と立っていられる。その姿は、神々しさすら感じさせるものでした。
私たちは結局、その場で30分ほど滞在しました。 動かない鳥を、動かずに見守る30分。息子はiPhoneのズーム機能を駆使し、私はコンデジで、静かに、でも必死にシャッターを切り続けました。
4. ハシビロコウは動かない
ハシビロコウの横を他の水鳥が通り過ぎようとも、ほとんど動きませんでした。
足元を通る水鳥には気を向けず、ずーっとじっとしていました。笑
← 横にスクロールして、ハシビロコウの『不動』を体験してください →







5. ハシビロコウの故郷は「赤道」だった
午後は少し足を伸ばして、ウガンダの赤道標識(Uganda Equator)へ。 ハシビロコウが生きるこの過酷な湿地は、まさに赤道直下の熱いエネルギーに満ちた場所なのだと肌で実感しました。
結び:冒険はまだ始まったばかり
深夜到着からの強行軍でしたが、野生の個体に出会えた喜びで、疲れはどこかへ吹き飛んでいました。 しかし、今回の旅のクライマックスはこれだけではありません。
明日は、いよいよウガンダ野生生物教育センター(UWEC)への潜入レポをお届けします。 なんと、ハシビロコウの檻の中に入り、あの「Sushi」と至近距離で触れ合うという、日本国内では100%不可能な体験が待っていました。

次回の更新をお楽しみに!
コメント