導入
「ハシビロコウ」という名前。 私たちは当たり前のように呼んでいますが、ふと「海外ではなんて呼ばれているんだろう?」と気になったことはありませんか?
調べてみると、世界各国の言葉でその独特な「クチバシ」をどう捉えているかが分かって、とても面白いんです。今日はちょっとしたトリビアとしてご紹介します。

1. 日本語: 漢字で見る「見た目」のまんま派
まずは私たちの馴染み深い名前から。漢字で書くと「嘴広鸛」となります。
- 嘴(はし): くちばし
- 広(びろ): 広い
- 鸛(こう): コウノトリ
文字通り「くちばしの広いコウノトリ」という意味です。
最近の研究ではペリカンの仲間だと判明していますが、名前にはコウノトリの文字が残っているのが、また愛おしいですよね
2. 実用的な「靴」派
西洋の多くの国では、あのクチバシを「靴(Shoe)」に例えています。
- 英語:Shoebill(シュービル) 「靴のようなクチバシ」。これが一番有名な英語名ですね。
- ドイツ語:Schuhschnabel(シューシュナーベル) ドイツ語のSchuh(靴)+ Schnabel(クチバシ)。
- フランス語:Bec-en-sabot(ベカンサボ) 「サボ(木靴)のクチバシ」という意味ですが、文脈によっては「クジラ頭」と表現されることも。
- オランダ語:Schoenbekooievaar こちらも「靴のクチバシのコウノトリ」
- アラビア語: Abu Markub (アブ・マルクーブ)これは、靴の父という意味です
彼らにとって、あのポッテリした形は、歩き慣れた革靴や木靴のように見えたのかもしれません。

3. 威厳たっぷりの「クジラ」派
科学的な名前や、一部のヨーロッパ言語では、海のようなスケールで表現されます。
- 学名:Balaeniceps rex(バライニケプス・レックス) ラテン語で「クジラ頭の王様」!まさに動かない王者にふさわしい、最高にかっこいい名前です。
- 中国語:鯨頭鸛(Jīngtóu guàn) 漢字で見るとインパクト抜群。意味は「クジラの頭のコウノトリ」! 後述する学名に近い発想で、あの大きなクチバシをクジラの頭に見立てています。

ウガンダ現地語(ルガンダ語):Bulwe(ブルウェ)
ここで少し、私のウガンダでの体験をお話ししましょう。 野生のハシビロコウが暮らすウガンダのビクトリア湖周辺では、現地語で「Bulwe」と呼ばれたり、あるいはその不気味なほどの静止姿から「死を予兆する鳥」として畏れられていた歴史もあります。
実際にウガンダの湿原で、泥の中からヌッと現れる「野生のBulwe」を見た時、私は動物園で見る彼らとは違う、「湿原の主」としての恐ろしいほどの覇気を感じました。
感想
こうして並べてみると、世界中で「やっぱりあのクチバシ、すごいよね!」と注目されているのがよく分かります。
「靴」に見えるか「クジラ」に見えるか。 あるいは、日本語のように「広いクチバシ」とシンプルに捉えるか。 皆さんはどの呼び名が一番しっくりきますか?
私は……やっぱり、学名の「Rex(王様)」という響きに、彼らの孤高の美しさを感じてしまいます。あのティラノサウルスのT-Rexと同じ、王様なんですから!

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