2026年4月27日にブログを立ち上げました。ハシビロコウに関する情報発信をしていきますので、よろしくお願いします!

宇宙から監視!?人工衛星とGPSが暴いた「動かない鳥」ハシビロコウの本当の姿

「動かない鳥」として動物園で大人気のハシビロコウ。でも、野生の彼らがアフリカの広大な湿地(しっち)で、毎日どんな風に暮らしているのか知っていますか?

実は、人が簡単には近づけない場所に住んでいるため、そのくらしの様子は長い間「ナゾ」に包まれていました。

今回は、最新のテクノロジー(GPSと人工衛星)を使って、ハシビロコウの知られざる秘密を解き明かした、世界レベルの最新研究を紹介します!動物が好きな人はもちろん、プログラミングや理科が好きな人にもたまらないお話です。

マバンバ湿地のハシビロコウ
マバンバ湿地の野生のハシビロコウ
目次

宇宙から鳥を追え!巨大な鳥の背中にGPS

野生のハシビロコウの動きをデータで明らかにしたのは、マルタ・アカシオ博士を中心とする世界の研究者チームです。

研究チームは、アフリカのザンビアにある「バングウェウル湿地」という場所で、11羽のハシビロコウ(大人5羽、子供6羽)の背中に、太陽の光で動く小さなGPSをつけました。

  • 調査した期間: 2011年12月から2018年10月までの約7年間
  • 集まったデータ: 合計119,321回分の「いまここにいるよ!」という位置情報

ハシビロコウからこれほど長くて正確なデータを集めたのは、世界で初めてのすごいことなんです!

野生のハシビロコウに会いたい方へ:
ザンビアのバングウェウル湿地をはじめ、世界で野生のハシビロコウに出会えるスポットについては、こちらのリンクを確認ください!

データが証明した「やっぱりおうちが一番」

集まったGPSのデータを分析すると、ハシビロコウは季節が変わっても遠くへお引越し(渡り)をせず、一年中ずっと同じ湿地に住んでいることがわかりました。

さらに、1日の移動距離を調べてみると、なんと「1日に3kmも移動しない日が、全体の81%」を占めていました。「動かない鳥」というイメージは、科学のビッグデータでも「じっと待ち伏せして狩りをする鳥」として、しっかりと証明されたのです。

人工衛星で「水の量」をチェック!

研究チームのすごいところは、鳥のGPSデータだけを使わなかったことです。なんと、NASA(アメリカ航空宇宙局)の地球を観察する人工衛星のデータを使って、湿地の「どこに、どれくらい水があるか」を計算しました。

鳥のGPSデータ(鳥のいる場所)と、人工衛星のデータ(その場所の水の量)を地図上で重ね合わせることで、「水がどう変わると、鳥はどう動くのか?」を調べたのです。

大人と子供で違う?生き残るための「すみわけ」作戦

この研究で一番おもしろかった発見は、「大人」と「子供」で、環境の変化に対する動き方がまったく違ったことです。

大人のハシビロコウ子供のハシビロコウ
調べた数5羽(計44,985地点のデータ)6羽(計47,134地点のデータ)
お引越しの理由今いる場所が乾燥してくると移動する今いる場所が水浸しになりすぎると移動する
ごはんの食べ方水が深い場所で、大きな魚を待ち伏せする浅瀬(浅い場所)で、小さな魚を捕まえる

表のように、大人は水が減って土地が乾いてくると、新しい水場を求めて移動します。一方、まだ狩りが下手な若鳥は、大人と同じ深い場所ではなく、水が浅い場所で小さな魚を狙って狩りの練習をしている可能性が高いことがわかりました。

大人と子供で狙う獲物や場所を少しずらすことで、限られた湿地の中で「食べ物の奪い合い」が起きないように、平和に暮らす工夫をしているんですね。

まとめ:これからの生き物研究はデータがカギ!

泥だらけになりながら巨大な鳥にGPSを取り付ける「野外調査(フィールドワーク)」と、パソコンでRやPythonといったプログラミング言語を使って人工衛星のビッグデータを分析する「情報解析」。

今の時代の生態学(生き物の研究)は、ただの「観察日記」ではなく、データを使いこなす最先端の科学へと進化しています。

将来、プログラミングなどのスキルを活かして、地球の環境問題や野生動物を守る仕事をしてみたい!と思う人にとって、このハシビロコウの研究は、とてもワクワクする最高のお手本になるはずです。

ハシビロコウに会いたい方へ:
国内のハシビロコウが飼育されている動物園の全リストはこちらをご覧ください!

参考文献

  • 2021年 学術誌『Scientific Reports』掲載 アカシオ博士らの論文「Changes in surface water drive the movements of Shoebills(表面水量の変化がハシビロコウの移動を駆動する)」。

その他、ハシビロコウに関する研究の話はこちらをご覧ください:

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この記事を書いた人

ハシビロコウを追い続ける、外資系企業に勤める一児のパパ。出張や家族旅行の合間に各地の動物園を巡るのがマイルール。 2025年には息子を連れてウガンダへ野生観察に行きました。 イベント情報から海外情報まで、幅広いハシビロコウについての情報を発信します。

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