2026年4月27日にブログを立ち上げました。ハシビロコウに関する情報発信をしていきますので、よろしくお願いします!

ハシビロコウはペットとして飼うことができる?値段や寿命、個人飼育が不可能な理由を解説

あの動かない鳥、ハシビロコウ。 動物園でじっとこちらを見つめるあの眼差しを見るたびに、「もし自宅の庭にハシビロコウがいたら……」なんて妄想をしてしまうのは、私だけではないはずです。

「ハシビロコウって個人で飼えるのかな?」 「もし買えるとしたら、値段はいくらくらいするんだろう?」

そんなハシビロコウ好きなら一度は抱く疑問について、今回は徹底的に調べてみました。

結論から言ってしまうと、一般人がハシビロコウをペットとして飼育するのは(ほぼ)不可能です。 この記事では、なぜハシビロコウを飼うことができないのか、その本当の理由や、万が一の値段について詳しく解説していきます。

那須動物公園にいた頃のボンゴの様子(2021年)
那須動物公園にいた頃のボンゴの様子(2021年)
目次

結論:一般人がハシビロコウをペットとして飼うのは不可能!

「絶滅危惧種だから法律で飼育が禁止されているんでしょ?」と思っている方も多いかもしれません。実は、これには少し誤解があります。

【最大の壁】ワシントン条約(CITES)と国内流通の現実

ハシビロコウは「ワシントン条約(CITES)の附属書II(第2種)」に分類されています。

💡 ワシントン条約の「第2種」とは?

  • 第1種(パンダなど): 商業目的の国際取引は全面禁止
  • 第2種(ハシビロコウなど): 輸出国の許可書があれば、商業取引自体は可能

「あれ?許可があれば取引できるなら、お金さえ積めば買えるのでは?」と思うかもしれません。しかし、現実には以下の2つの理由から、一般人が購入することは100%不可能です。

1. 原産国が「個人飼育目的」の輸出を絶対に許可しない: ハシビロコウの生息地であるウガンダやザンビアなどのアフリカ諸国は、野生動物の保護に極めて厳格です。 動物園などの「学術研究・教育・保全目的」であれば例外的に輸出が許可されることもありますが、日本のペットショップや個人からの「家で飼いたい」という愛玩目的の申請に対して、輸出許可書が発行されることは事実上あり得ません。

2. 日本国内で繁殖した個体(CB個体)が存在しない: 「海外から輸入できないなら、日本生まれの個体を買えばいいのでは?」と考える方もいるでしょう。 しかし、ハシビロコウは飼育下での繁殖が絶望的に難しい鳥として知られています。世界でも数えるほどしか成功例がなく、日本国内で一般向けに繁殖・販売しているブリーダーは存在しません。

つまり、「法律で禁止されているから」ではなく、「個人向けの輸入許可が下りず、国内で生まれることもないため、市場に出回るルートが物理的に存在しない」というのが本当の理由なのです。

万が一買えた場合の値段は?

インターネット上では「数百万円〜数千万円」という噂も見かけますが、実はハシビロコウの明確な取引価格(相場)は存在しませんし、過去の売買実績が公表されたこともありません。

なぜなら、動物園同士でハシビロコウが移動する際、お金のやり取りは基本的に発生しないからです。

動物園では希少動物を移動させる際、「ブリーディングローン(繁殖のための無償貸与)」や、別の動物との「動物交換(トレード)」というシステムを使います。命を商品として売買するのではなく、あくまで「種の保存」のために協力し合っているのです。

つまり、ハシビロコウには定価がないどころか、「お金では買えない、プライスレスな存在」というのが最も正しい答えになります。

環境面でもハシビロコウの飼育は絶望的に難しい

仮に、奇跡的にハシビロコウを譲り受けることができたとしましょう。しかし、ハシビロコウを健康に育てる環境を個人で用意するのは、別の意味で絶望的です。

寿命は30〜40年以上!飼い主が最後まで面倒を見切れるか

ハシビロコウの飼育が難しい理由として、「寿命の長さ」も挙げられます。 野生下での正確な寿命はわかっていませんが、飼育下では非常に長生きする鳥として知られており、平均して30年〜40年は生きると言われています。(伊豆シャボテン動物公園で飼育されていた「ビル」は、なんと推定50歳以上も生きたという記録があります!)

もしあなたが30歳でハシビロコウを飼い始めたとして、ハシビロコウが寿命を迎える頃には、あなたは70歳前後になっています。 「自分が病気になったり、高齢で動けなくなったりしたとき、誰がこの巨大な鳥の世話を(毎日巨大な生魚を用意して)引き継いでくれるのか?」という問題に直面します。

犬や猫の10〜15年でも最後まで責任を持つのは大変ですが、30年以上生きるハシビロコウの飼育には、飼い主自身の「人生を丸ごと捧げる覚悟」が必要不可欠なのです。

広大な敷地と水辺(湿地)環境が必要

ハシビロコウは単独行動を好み、非常に縄張り意識が強い鳥です。 さらに、野生では湿地帯で暮らしているため、水浴びや狩りができる十分な水辺の環境が欠かせません。日本の一般的な住宅事情(たとえ広いお庭があったとしても)では、ストレスで生きていくことはできないでしょう。

エサの調達が困難(巨大な生きた魚)

ハシビロコウの主食は、マンバ(肺魚)やティラピアなどの大きな魚です。 動物園では大きなコイなどを与えたりしていますが、これを毎日、新鮮な状態で(しかも丸呑みできるサイズで)用意するコストと手間は計り知れません。スーパーの切り身で生きていけるわけではないのです。

診察できる獣医師がいない

犬や猫と違い、ハシビロコウを診察できるエキゾチックアニマル専門の獣医師は、日本国内でも極めて限定的です。万が一病気やケガをした際、適切な医療を受けさせることは個人ではほぼ不可能です。

飼えないからこそ、動物園へ会いに行こう!

ここまで読んでいただいた通り、ハシビロコウの個人飼育は法律(流通)面でも環境面でも不可能です。 だからこそ、ハシビロコウにとって快適で安全な環境を用意し、私たちが観察できる機会を作ってくれている動物園には感謝しかありません。

那須どうぶつ王国など、ハシビロコウに会える場所

日本国内には、ハシビロコウに会える素晴らしい動物園がいくつかあります。 例えば、那須どうぶつ王国。(2026年に神戸から大人気の「ボンゴ」が帰ってきてくれたのは本当に嬉しいニュースでしたね!)

彼らがのびのびと過ごす姿(そして、たまに見せるダイナミックな動き)を観察するのは、何時間でも飽きません。

大きなレンズを持って出かけよう(まとめ)

自宅で飼えないのなら、どうすればいいか。 答えは簡単です。自ら会いに行き、その素晴らしい姿を写真に収めることです。

COOLPIX P950のような超望遠レンズを備えたカメラを抱えて動物園に通い、ファインダー越しに彼らと対峙する。ピンと張り詰めた空気の中で、鋭い眼光や美しい羽並みを切り取る。 これこそが、「となりのハシビロコウ」的、最高の推し活だと思っています。

飼うことはできなくても、彼らの魅力に触れる方法はたくさんあります。ぜひ今度の休日は、カメラを持ってハシビロコウに会いに行ってみてください!

サーナ (撮影: 2026年5月)
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この記事を書いた人

ハシビロコウを追い続ける、外資系企業に勤める一児のパパ。出張や家族旅行の合間に各地の動物園を巡るのがマイルール。 2025年には息子を連れてウガンダへ野生観察に行きました。 イベント情報から海外情報まで、幅広いハシビロコウについての情報を発信します。

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