普段は動物園での様子や生態について語ることの多いハシビロリンですが、今回は少し視点を変えて「文学・詩の世界」に登場するハシビロコウにスポットを当ててみたいと思います。
人気テレビ番組『プレバト!!』の俳句コーナーで、ハシビロコウを見事に詠み上げた名句が誕生し、大きな話題になりました。今回はその名句の情景や番組内での大絶賛の評価を振り返りつつ、当ブログオリジナルの句も披露します!
プレバト!!で絶賛された名句「桜蘂降るハシビロコウ瞬く」
この名句は、2022年5月5日放送の『プレバト!!』で誕生しました。番組内で見事、永世名人44句目として掲載決定を果たしたのが、梅沢富美男さんによるこちらの俳句です。
桜蘂降る ハシビロコウ瞬く
(さくらしべふる はしびろこう またたく)
「桜蘂降る(さくらしべふる)」とは、桜の花びらが散った後、中心に残った赤い蘂(しべ=萼 [がく] の部分)がハラハラと落ちる様子を表す晩春の季語です。

作者本人が語った句の情景
【作者(梅沢さん)の解説】 「桜蘂降る」。桜の花は皆さんご存じのはず。あれ(花びら)がパ~ンと散ると赤いの(萼ごと)が残る。あれがパーンと落ちると下が絨毯のように赤くなる。 この「ハシビロコウ」はじっとしたら動かない。桜蘂がパランと落ちた時、ハシビロコウがパンと瞬きをした。句またがり。
普段は彫像のようにじっと動かないハシビロコウ。しかし、桜の赤い蘂が落ちたその瞬間、それに呼応するように鳥が「パン」と瞬きをした……。一瞬の生命のきらめきを、十七音の枠を飛び越える「句またがり」という技法でダイナミックに切り取っています。
共演者との微笑ましいやり取り
- 千原ジュニアさん:「あの~凄い破調で、なんか梅沢さんらしくないというか、東(東国原)さん憧れを感じますね(笑)」
- こがけんさん:「そんなのあるんですか?」
- ご本人:「馬鹿なこと言っちゃいけませんよ。」
- 浜田雅功さん:「らしくないということですね。」
いつもの王道なスタイルとは一味違う挑戦的な一句へのイジりで、スタジオも大盛り上がりでした。
夏井先生の大絶賛ポイント「素晴らしい気づき」
査定結果は見事「掲載決定」。ファーストサマーウイカさんや、おいでやす小田さんも「凄っ」と感嘆の声を漏らした、夏井先生の評価ポイントです。
- 季語の美しさと「ささやかな波動」: 蘂が降るという「ささやかな波動」を見事に捉えている。
- 動かない鳥が波動をキャッチする奇跡: その小さな波動を、動かないハシビロコウがキャッチして一瞬瞬いたのではないかという想像力。
- 「詩」を発見する力: この日常のささいな気づきが「俳句という詩になる」と分かっているところがさすが。
- 完璧な「静と動」の対比: 嫌味のない上手さ。
極めつけは「時々こういうの見せてくれると、私の血が綺麗になる。直しは要らない」という最大級の賛辞でした。
【必見】このハシビロコウ句も収録!梅沢富美男さんの句集『一人十色』
今回ご紹介した「桜蘂降るハシビロコウ瞬く」は、番組で梅沢富美男さんが詠まれた傑作の中から夏井いつき先生が厳選した句集『一人十色(いちにんといろ)』に、記念すべき44句目としてしっかりと収録されています!
- 傑作50句を一挙収録:ハシビロコウの句のほか、日常の美しい情景を切り取った句が多数。
- 夏井いつき先生の赤ペン添削:名人の句がどう生まれたのか、学びが深まる解説付き。
- お二人の特別対談:番組さながらの軽快なやり取りも楽しめます。
「言葉だけで情景が浮かび上がる」俳句の世界に触れてみたい方は、ぜひ本を手に取って、ハシビロコウの句がどのように掲載されているか確かめてみてくださいね。
当ブログ発!ハシビロコウで一句詠んでみました
プレバトの素晴らしい句に感化され、私もハシビロコウをテーマにオリジナルの句を詠んでみました。
夕立や 瞬きひとつ ハシビロコウ
激しい夕立の中で微動だにしないハシビロコウ。雨粒に反応してパチリと瞬きをする一瞬の緊張感を切り取りました。ハシビロコウをファインダー越しで見つめていると、静寂の中で、瞬きだけはたまにするんですよね。梅沢さんの名句へのリスペクトも込めて。
水鏡 立つハシビロコウ 秋の暮
秋の夕暮れ時、水面に映る自分の姿(水鏡)すら揺らさない圧倒的な「静」。あの神秘的で哲学的な佇まいをストレートに表現してみました。
鰯雲 くちばしを打つ ハシビロコウ
ハシビロコウ特有の挨拶「クラッタリング」にフォーカス。うろこ雲が広がる高い秋空に、くちばしを鳴らすカタカタという乾いた音が響き渡る情景です。
秋晴や わっと羽ばたく ハシビロコウ
最後は最大の「動」!澄み渡る秋晴れの空の下、普段動かないあの巨体が突然バサァッ!と羽ばたいた時の、圧倒的な迫力と驚きをそのままぶつけました。
プレバトの句にもある通り、ハシビロコウ最大の魅力は「静」と「動」の強烈なコントラストです。ずっと動かないからこそ、風に羽が揺れたり、一度だけ瞬きをしたりする「小さな動き」が、とてつもないドラマを生み出してくれます。
動物園でハシビロコウを観察しているとき、ふと素敵な言葉が思い浮かぶ瞬間があるかもしれません。皆さんならどんな季語をハシビロコウに合わせるでしょうか?「こんなハシビロコウの句を思いついた!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひコメント欄であなたの作品を教えてください!
伊坂幸太郎『クジラアタマの王様』書評|ハシビロコウファン必見の挿絵と伏線マジック!
俳句だけでなく、小説の世界でもハシビロコウは圧倒的な存在感を放っています。人気作家・伊坂幸太郎さんの『クジラアタマの王様』は、なんとハシビロコウが物語の鍵を握るエンタメミステリー作品です。作中にはファン必見の魅力的な挿絵もたっぷり登場し、伊坂作品ならではの鮮やかな伏線回収に思わず唸らされます。文学の世界で躍動するハシビロコウの姿を、ぜひ「となりのハシビロコウ」の書評でチェックしてみてください。

俳句を詠みに会いに行こう!国内のハシビロコウがいる全動物園紹介
プレバトの名句を味わい、実際にハシビロコウの目の前で一句詠んでみたくなった方も多いのではないでしょうか。実は、日本国内で生きたハシビロコウに会える施設は限られており、動物園ごとに展示環境や個体の性格も大きく異なります。以下の記事では、現在ハシビロコウを飼育している全国の動物園を一覧でまとめました。今度の休日はお近くの動物園へ足を運び、あなただけの美しい十七音を探しに行きませんか?

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